疾病紹介(精神科)

ここでは精神科で治療する疾病の代表例をいくつか紹介いたします。
ほんの一例ですが、ご参考にしてください。


不眠症とは

不眠症のタイプは、

  1. 眠りたいのに眠りにつけない
  2. 眠りが浅く、熟睡した気分になれない
  3. 眠っても途中で目が醒め起きてしまう
  4. まだ眠っていたいのに早朝に目が醒めてしまう

というようなタイプに分けられます。
そして、眠りたいにもかかわらず思うように眠れないために、それを苦にして悩む状態と、眠れないという“自身の自覚”が苦になる状態と、二つの特徴があります。

診断と治療は、睡眠のパターンと不眠の原因をはっきりさせることから始めます。お薬による治療もありますが、不眠の原因があれば、まずそれを排除することも大切です。原因は、ご本人の気付かない環境だったりすることもあります。


うつ病とは

うつ病は“やる気が出ない。おっくうになる。”といった症状が一般的に有名ですが、心の不調が体にも影響しやすい病気で、その症状は全身にも現れます。例えば、頭痛、だるさ、動悸、胸部圧迫感など、様々な症状を伴うこともありますし、食欲不振、不眠などもうつ病の症状であることがあります。

以下に代表的な症状を紹介いたします。医師の診断および治療により、回復される方が多くいらっしゃいますので、該当項目があれば受診されることをお勧めいたします。

  • 夜中に何度も目が醒める。早朝に目が醒めて眠れない。
  • 食欲がなく、何を食べてもおいしく感じられない。
  • 朝の気分がとても悪く、夕方になると少し楽になる。
  • からだがだるい。疲れやすい。
  • やる気が出ない。仕事にとりかかる気になかなかなれない。
  • 何をしても楽しくない。テレビや娯楽も面白くない。
  • 何をするにも億劫で面倒。人と話したくない。
  • 頭痛がする。胸の圧迫感や息苦しさを感じる。
  • 些細なことが気になって仕方がない。
  • 根気が続かない。集中力が無い。決断力の低下。
  • 虚しさ、寂しさを感じる。不安にもなる。
  • 何事も悪い方へばかり考えてしまう。何でも自分が悪い、と自分を責めてしまう。
  • 人より劣っていると感じる。

統合失調症とは

統合失調症の方は、人の声や電波など、そこに実在しない音が聞こえてきたり、感じたりします。また、何かから(誰かから)被害を受けていると思ったり、考えが混乱し、まとまりのない会話になることがあります。このような症状は、発症後間もない時期(急性期)によくみられ、お薬を飲むといった治療を早期に行うことにより、症状の改善がみられます。

一定の期間が過ぎると、喜怒哀楽といった感情が乏しくなったり、何に対しても無関心になります。更に、意欲が減退し、色々な行為をするにもやる気がでないようになります。このような症状は、慢性期の症状で、家族や周りの人は、長い目で見守ることが必要です。


認知症とは

認知症は、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の大きく2つのタイプに分けられます。前者は脳の神経細胞が除々に死んでいくため、脳全体が萎縮してしまい、脳の働きが衰えていきます。後者は、脳出血や脳梗塞により、脳の一部の組織が壊され、こちらも脳の働きが衰えていきます。また、両者が混合したタイプもみられます。いずれもCT等の諸検査で診断することが出来ます。それぞれ症状は多種多様ですが、以下に代表的な症状を紹介いたします。

  • 若い頃の話(戦時中の話など)は忘れていないが、最近のことは忘れやすい。
  • 同じことを繰り返し行ったり、何度も同じ事を言ったり、聞いたりする。
  • 食事をしたことを忘れたり、家族の名前も忘れてしまう。
  • 簡単な引き算や数字の逆唱、「野菜の名前を答えて下さい。」などの質問にも答えられない。
  • 現在の日時や今いる場所がわからない。
  • 「食事をくれない」「お金を盗られた」など、事実と異なる訴えがある。
  • 夜中に大声をあげたり、ごそごそ物を動かしたり、動き回ったりする。
  • 目的も無く、屋内や屋外を歩き続ける行動(徘徊)がある。
  • ゴミやガラクタを自宅に持ち帰る。
  • 既に亡くなった人が「家に来た」と言ったり、誰もいないのに会話をしたりする。
  • 食事をした直後に、更に食事をとろうとしたり、食べ物ではないものを食べたりする。

上記の他に、神経症性障害・神経症・躁うつ病(気分障害)・てんかん・心因反応・摂食障害・自閉症・ストレス関連障害・人格の障害・知的障害・アルコール依存症・発達障害・心理的発達障害など、様々な疾病や障害があります。

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